定年後の人生計画 一生働き続ける日本人男の悲哀、無趣味は罪なのか?

メンタル

定年した男性客

そのお客さんんは、ぱっと店内に入ると、少しはにかんだような感じで、「できますか?」と言います。同世代の親父とは違う印象を受けた。伝票にサインをしてもらい、マッサージを始める。少しやってると、お客さんがいつものように勝手に話しかけてくる。「去年、定年になり今は無職なんです・・・」という。その言葉に、安堵と疲れと不安があるような話し方だった。60歳になれば、誰でも同じような状況になる。が自分がそういう状況に置かれたときの心境はただ事ではないと思うが・・・男と言うのは、なぜ一生働き続けなくてはいけないのか?

石窯ピザで名誉挽回?

毎日、奥さんと24時間同じ家にいるという状況は、夫婦とはいえ、お互いうんざりすることも多い。「だからコンクリートをこねてます」私!?「壁か塀でも作るんですか?」「いやいや、石釜ピザを作ろうと思ってね」「石釜ですか!?それは、思いもしませんでしたハハハ」無趣味なこの男性客は、何もすることがなく、毎日奥さんと一緒にいるもおっくうで、奥さんから煙たがられるので、外に出るしか逃げ道はないのだと言う。庭に出て、仕事をしているほうが気がまぎれるという。

たぶん奥さんとしては、旦那には外で一生仕事してもらいたいと思っている?のかも知れない。昔「亭主元気で留守がいい」という名言?があった。初めての石釜つくりは、手本があるのかないのかわからないが、手探り状態で、元事務員の男性は、設計図をきちんと正確につくり、それなりに本格的な石釜ができたのだと思う。しかし、庭に石釜つくりを許可した奥さんもスゴイと思う。まあ勝手にしてくれという感じなのだろうか?いろんな定年後の人生本が、「現役時代に、趣味や熱中できることを作れ」とか言うが、そう簡単に作れるものではない。

無趣味の人々

強制されて、趣味をするわけではないし、楽しんで自分からすすんでやるものだから、探せといっても好きじゃないと趣味にならない。付き合いのゴルフが趣味になるか?どうか?は本人次第だが、趣味とはそういうものだろう?自分も悩むが、基本無趣味なのだ。これと言って趣味はないし、あえて言えば、温泉とか、陶器収集とか、その程度くらい。しかし、これが趣味と言えるのかどうか考え物だ。お客さんは、60歳定年まで、真面目に家族のために働いてきたのだ。去年は、息子さんと娘さんがいるらしいが、両方とも去年結婚したという。

定年とダブル結婚。「忙しい年でしたね」と淡々に言う私。運命とはそういうものかも知れない?いきなり、いいも悪いも同時に来る。人生のチャンスも一度に来る。適度に来れば・・・いいものをと思うが、濁流のごとくわっと来る。選択して迷い、流されて選択を誤り、失敗したり、成功する。波に乗れば、成功する。失敗すれば流されて終了。今回の旅行では、奥さんと一緒に来たらしいが、「仲いいですね」と言うと、「いや、相手がいなくてね」と言う。私は言葉に詰まりそれ以上答えなかった。

会社の友人?敵?

定年を過ぎた男には、仲間とか友人がいない人が多い。仕事仲間はあくまでも仕事上の付き合いで、それ以上の付き合いではない。例え家族同士の付き合いであっても、会社という組織があるから普通に付き合い、ニコニコ付きあっていられる。付き合いとはそんなもので、同レベルの付き合いであれば平和に付き合えるだろう。それが、一方が昇進とかなると状況は一転する。主婦の間に闘争心に火をつける。それまで仲良かった関係が一転して、上から目線になる。しょせん他人だから、お互いをけん制しあっているのだ。そもそも、見せかけだけの関係から、ライバル視して嫉妬の対象になる。それが会社組織というもの。

そして、敵同士だったことを気づくのだ。それが会社の同僚というもので、友人とは言えない。悲しいが、それが現実なのだ。定年した男性は、趣味を見つけようとする。そばつくりや、楽器だったりする。いずれにしろ、好きではないと長続きしない。このお客さんは書道が得意らしい。達筆なので、上司からよく褒められた。そして手書きされた年賀状を書かされ腱鞘炎なり損ねたらしい。まあ昔は、手書きは当たり前だったが、今では、手書きが重宝されたらしい。字が下手くそで幼稚園生くらいの私には、うらやましい・・・

向田邦子先生のお言葉

定年を迎えたという現実。これからの人生。これからの希望。向田邦子さんの小説の中で、「希望に満ち溢れた頃の若いころと、定年まで数を数えることができる定年まじかの男の目覚めなど絶望しかない」という文章があるが、よくぞ、言い当てている。この言葉を聞いたとき、思わず吹き出し、向田さんは本当に、うまいことを言うなと思った。向田先生の小説には、昭和の悲哀に満ちている。「あ、うん」が大好きだが、男の友情や格差社会それらは現実としてのしかかってくる。なぜ日本人の定年は不幸なのか?社会が悪いと思う。排他的な環境や風土、それに人の意識が悪い。海外では、金がなくてもそれなりに生き生きしている。そういう現状を見てきた。肩身の狭い定年男性を社会はもっと受け入れるべきです。

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